支部紹介

稽古内容

入門を検討されている方のために、定例稽古で行っている稽古の流れをご紹介します。
19:00頃から徐々に集合し、準備の整ったもの者から各自稽古をはじめます。19:30を目処に合同稽古をはじめ、おおよそ下記の順序で稽古を進めます。毎回の参加者は高校生から社会人まで男女合わせ15名程度です。また自主稽古会では門人それぞれが課題に向け稽古をしています。

  1. 合同稽古・・・基本稽古(桁打、旋打、廻打、切返しなど)、宗家指導内容の反復
    立身流の全てに繋がる基本になりますので、十分に稽古を行います。主に袋撓(竹刀)を用いて足蹈(姿勢、歩み)、呼吸法(丹田呼吸、発声)を中心に、手裡(刀握)、間合い、打ち込み、などを修得します。旧来入門後数年間はこれら基本稽古以外許されませんでした。
  2. 個別指導・・・練度に応じて各自稽古(居合、剣術など)、巡回指導
    流祖立身三京独創の秘技であり基本となる「向」と「圓」を中心に、立歩斬撃の立合表の形(序、破、急)、立合陰の形(初伝、本伝、別伝)、正座からの居組の形(序、破、急)などの形があり、熟練度に応じて稽古を積んでいきます。入門時は立合の序の形から稽古をはじめ、立合の破、居組の序、破と進めていきます。
  3. 自由稽古・・・個別指導継続、上級者同士の稽古など
    戦国時代の鎧をつけた組み討ちから発達した柔術である俰(やわら)、実戦を想定した一対一の攻防の形である剣術、陰(小太刀)、五合之形、二刀詰、半棒、棒、長刀(なぎなた)などを行います。ある程度の基礎が身に付いてから剣術の序、破の稽古をはじめます。

稽古の目的
稽古は主に形の錬磨によりなされ、身体操作の本質を掴むことが目的となります。闘いではあらゆる事態に対応し、敵のどのような動きも制しなければなりません。その種々雑多な動きから、すべての動きの素となる基本の動きが抽出され、純化されます。これが「形」となります。形は単純な中に千変万化を含んでおり簡素の中に絢爛を包含しています。

立身流七戒
しかし技を習得しても、いざという時にすくんでしまって動けないのでは意味をなしません。そこで心法の裏付けが必要になります。技法と心法は表裏一体です。
最終的に目指すべき高度な心の機能としては「深夜聞霜」が伝えられており、無我の心境、無念無想の境地に悟入することを表しています。立身流ではこれに至るため、立身流七戒として「驚(きょう=おどろく)、懼(く=おそれる)、疑(ぎ=うたがう)、惑(わく=まどう)、緩(かん=ゆるむ)、怒(ぬ(ど)=いかる)、焦(しょう=あせる)」とあり、これらがまったく無い心を「空(くう)」としています。
この心の活動状態を指して「満月之事」といい、これが欠けている半月の状態に相手を誘導し撃突することを教えています。剣士達は常にこれらのことを意識しながら「心目体用一致」の自得を目指し日々稽古に臨むことになります。

特に重要なことは、単に技の修得や武具へ興味だけでなく、「深夜聞霜」の高度な心の機能を、生死を争う真剣勝負のみにとどめずに、人生平正の処世全般に活用して、広く世のため、人のために貢献すべきことを流祖立身三京は強調していることです。


活動状況

年間を通じての定例稽古(毎週火曜)、自主稽古(毎週金曜)に加え、本部の千葉で行われる宗家指導、合宿などに参加します(主に日曜日)。また、各種演武大会にも参加しており、浅草日本古武道大会、靖国神社古武道奉納演武(春季・みたま祭り・秋季)、明治神宮奉納日本古武道大会などに毎年参加します。東京支部で入門を検討される方は、毎週火曜日の定例稽古と日曜開催(四半期に一回程度)の本部稽古(本部HP参照)に継続して参加できる必要があります。
東京矢口支部が主催する地元の新田神社での奉納演武は支部の門人は全員参加対象になっており、基礎稽古の形から高度な形まで演目も多彩で招待演武も含め演武時間は2時間を越える大規模なものになっています。各人の修行錬度に応じて演目が組まれますが、日頃の成果をお互いに確認する場でもあり、奉納演武を通じて更なる研鑽に励むことを誓います。

立身流新田神社奉納演武大会
新田神社奉納演武大会は、例大祭の行われる毎年10月10日に古武道奉納演武として開催されています。一同御祓いと玉串奉奠の後、注連縄が張られ霊気みなぎる境内にて立身流の形が披露されます。
この新田神社は正平13年(1358年)10月10日多摩川矢口渡にて謀略により悲壮な死を遂げられた新田義興公(新田義貞の次子)の御霊を鎮めるために、義興公の墳墓の前に社殿が建てられ新田大明神として広く崇め奉られたことが起こりとなっています。江戸時代には徳川家が新田の出であると称していたことや江戸から至近であったことから、多くの武家からも信仰を集めました。かの平賀源内が新田神社の縁起を元に書いた浄瑠璃「神霊矢口渡」の舞台として、また同じく源内考案で売り出された「破魔矢(矢守)」発祥の地としても知られており、650年近く経った現在も「運を守る神」として地元の人々の崇敬を集めています。

六百五十年大祭の演武の様子(新田神社ホームページ)

【新田神社 品川宗久宮司: 東急多摩川線武蔵新田駅下車】

歴代支部長

初 代 井上三郎 (いのうえ さぶろう)
昭和52(1977)年4月~ [教場]大田区立蓮沼中学校
二代目 北島恭平 (きたじま きょうへい)
昭和59(1984)年~
三代目 林一夫 (はやし かずお)
昭和63(1988)年~
四代目 吉田龍三郎 (よしだ りゅうざぶろう) 免許
平成2(1990)年~現在 [教場]大田区立千鳥小学校
– 平成24(2012)年4月: 副支部長2名設置
– 平成24(2012)年5月: 自主稽古場(品川区立小山小学校)を設置